不動産投資って儲かるの?

「不動産投資のセミナーの広告をよく見かけるけど、不動産投資って儲かるものなのだろうか?」

そんな疑問を持っている方は多いと思いますし、実際にこの類いの質問をいただきます。

その時、お答え内容は次の2点。

 

1.「儲かる期間」と「儲からない(損する)期間」がある

2.「儲かる金額」と「儲からない(損する)金額」が同じ確率である

 

ん?

どういうこと?

 

スミマセン。

わざとはぐらかせています。

 

順々にご説明しますので、気になりましたらこのまま読み続けて下さい。

 

年がら年中、都市部を中心に数多くの不動産投資のセミナーが開催されています。

でも、多くのセミナーは仲介のためのお客さん集めが目的です。

 

セミナーで「誰もが儲かる”投資の極意”話」を見ず知らずの人に教えるでしょうか・・・

本当に本当に、そんな「誰もが儲かる極意」というものがあるなら、人には教えず自分でやるのが本音ではないでしょうか・・・

 

では、「不動産投資は儲からないのか?」といわれると、そんなこともありません。

「誰もが儲かる!」というわけではありませんが、儲かります。

 

その理由というか、理解すべきポイントが先ほどの

1.「儲かる期間」と「儲からない(損する)期間」がある

2.「儲かる金額」と「儲からない(損する)金額」が同じ確率である

なのです。

 


不動産投資が「儲かる期間」と「儲からない期間」とは?

 

「儲かる期間」と「儲からない(損する)期間には2つの意味があります。

 

一つは「世の中の景気」や「不動産相場」のことです。

世の中の景気が良いと賃料が上がります。

また、不動産市場に過熱感がある時は不動産の価格が上昇します。

 

景気が良くないときに不動産を購入し、景気が良いときにその購入した不動産を転売すれば「転売益」があり、逆の場合には「売却損」があるというわけです。

ちなみに、不動産の売却により得られる利益を「キャピタルゲイン」といい、損失を「キャピタルロス」といいます。

 

また、不動産に関係する現金の出入り(キャッシュフローといいます。)にも波があります。

  • 固定資産税の納期
  • 大規模な修繕が発生した場合
  • 一度にたくさんのテナントが退去して保証金を返還しないといけない場合

などには多額のキャッシュが出ていくことがあります。

このような時期は一時的にキャッシュフローが悪くなります。

手持ちのキャッシュがなければ支払いのために借り入れせざるを得ず、「儲からない(損している)」気分なるでしょう。

 

もう一つの意味は「決算の期間」です。

不動産投資は「投資」と言いながらも、自らが不動産賃貸事業を経営することとなります。

経営ですから1年間の収支を出さなければならず、これを「決算」といいます。

不動産を購入した頃は多額の金利払いで赤字になっていても、そのうち黒字化していき、その黒字が年々大きくなることはよくあります。

 

つまり、同じ不動産でも、初めの頃の決算だけ見れば「儲からない(損している)」となりますし、しばらく経った頃の決算だけを見れば「儲かっている」となるでしょう。

 

 

不動産投資は「儲かる金額」と「儲からない金額」が同じ確率とは?


次に、不動産投資は「儲かる金額と儲からない(損する)金額が同じ確率であること」ですが、これは「確率論」のことです。

不動産投資もハイリスクであればハイリターン、ローリスクであればローリターンであるということです。

 

具体的な不動産のリスクにはいろんな種類がありますが、ここでいうリスクとは「儲けの振れ幅」のことを意味します。

「儲けの振れ幅」というのは、儲けが大きいと損も大きくなり、儲かったときと損をした時の振れ幅が大きくなり、逆に儲けが小さいと損も小さくなり、儲かったときと損をした時の振れ幅は小さくなることをいいます。

 

ちなみに、「儲かりもせず損もしない=振れ幅がゼロ」の唯一の資産が「現金」です。

現金は持っているだけで損をすることはありませんが、儲かることもありません(紛失したり盗まれるという、別のリスクがありますが・・・)。

 

不動産投資では、賃料から得られる収入「インカムゲイン」と、不動産を売却したときに得られる収入「キャピタルゲイン」という2つの異なる性格を持つ収入があります。

 

「インカムゲイン」は賃料や稼働率、運営費用の増減に影響されますが、その変動は緩やかで比較的安定しています。

つまり、ローリスク・ローリターンです。

 

一方、「キャピタルゲイン」は主に景気に左右され、前述したとおり景気によって利益も出れば損失も出ることがある、ハイリスク・ハイリターンな性格です。

 

このように2つの異なる性格を併せ持つために不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンといわれ、投資家からは株式や債券の代替資産として位置付けられています。

 

売却時に損失が出ても「インカムゲイン」があればある程度損失がカバーされ、インカムゲインが良くなくても景気が良い時に売却すれば「キャピタルゲイン」が期待できます。

これが不動産投資の儲かる仕組みの特徴で、「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」をうまくコントロール出来れば儲かる不動産投資が期待できます。

 

さらに、不動産投資が儲かるためのもう一つの要素があります。

それは「ローン(借入金)」です。

 

 

収益不動産のローンの特徴

不動産投資の特徴として、「不動産担保ローン」といった不動産を担保とした借入があります。

不動産投資の借入は、賃料収入が返済の元手となり返済期間は数十年の長期になります。

1年程度の短期の場合もありますが、この短期の借り入れ出来るのは不動産の仕入れ・改修・販売を事業とする不動産会社などで、この場合の返済の元手は賃料収入ではなく、不動産を商品として販売した販売代金か、長期に借り換えたローンになります。

なお、改修や建て替えなどの手を加える事なくほかの人に売却する単なる転売は、転売という行為によって何の付加価値も生まないため、倫理上、金融機関の融資の対象にはならないとされています。

 

長期の返済期間についてもう少し丁寧に説明にします。

例えば、年間の収入が100万円あって、購入価格が1000万円の収益不動産があったとします。

この不動産には、掃除やメンテナンスの費用のほか固定資産税の支払いなど、運営費用が年間で50万円かかっているとします。

収入から費用を差し引くと、この不動産から得られる儲けは50万円になります。

金融機関はこの儲けの50万円から返済を受けるわけです。

賃料収入は中長期にわたって安定的な収入が得られる一方、大幅な増収を見込めないので返済は賃料収入の中から確実に返せる範囲内の額に設定されます。

 

購入価格の1000万円全額をローンで借りたとして、賃料からの儲けの全額を返済にあてたとした場合、元金の返済に少なくとも20年かかります(50万円×20年=1000万円)。

実際は金利の支払いもしないといけませんから、返済期間は20年より長くしないといけません。

 

また、建物が鉄筋コンクリートといった堅固建物だとした場合の耐用年数は50年近くあり、担保価値が減少するペースが長期にわたり緩やかになります。

そのため、担保価値が減少するペースに合わせて元金返済期間も長期間に設定出来ます。

 

このように、賃料収入を元手に返済する仕組みの収益不動産のローンは、返済期間が長期になるのが特徴です。

一般の法人が金融機関から長期の借り入れをするのはとてもハードルが高いのですが、収益不動産を担保にするとそれが当たり前に出来るのです。

ただし、耐用年数が50年といっても、それは新築からの年数で、中古物件で築年数が古いと長期の借り入れが出来ない場合もあります。

 

不動産投資による収益を最大化させる「レバレッジと金利」

 

レバレッジは「てこの原理」のことですが、直観的には「収益効率増大ワザ」で、収益不動産のローンを利用して手元資金に対する収益率をアップさせることを「レバレッジをかける」とか「レバをかける」といいます。

100万円の投資で5万円儲かっていたのが、レバレッジをかけて、60万円の投資で4万円儲かるようになる効果が「レバレッジ効果」です。

利回りで計算すると、100万円で5万円のリターンのときの利回りは5%(5万円÷100万円=5%)ですが、60万円で4万円のリターンのときの利回りは6.7%(4万円÷60万円≒6.7%)にアップします。

投資金額が100万円から60万円に減っていますが、足りない40万円はローンで調達することになります。

 

こんなに簡単に利回りがアップするなら、誰もがローンを利用してレバレッジをかけますが、この時に重要なのは「ローンの金利とキャッシュフロー」です。

キャッシュフローのことは、この後の「ローン金額」でお話ししますので、ここでは金利に注目します。

 

先ほどの例では40万円のローンを調達し、ローンの返済分は1万円になります。

話をシンプルにしたいので、ここでは借入期間中の元金返済は無しとします。

すると、ローンの金利(利回り)は2.5%(1万円÷40万円=2.5%)です。

このローンの金利(利回り)が、レバレッジをかける前の利回りより低い場合にのみ、レバレッジ効果が期待できます。

ローンの金利(利回り)が、レバレッジ前の利回りより高いと、手元資金の利回りが悪化します(これを「逆レバがかかる」と言ったりします)。

 

つまり、レバレッジ前の利回りとローンの金利(利回り)の差が、レバレッジ効果に現れるというわけです。

ですので、レバレッジ前の利回りが低い収益物件でもそれより低い金利のローンが調達すること出来れば、手元資金に対する利回りをアップさせることが出来るのです。

 

これを実践しているのがJリートです。

Jリートが購入する収益物件は優良物件ばかりで購入時の利回りはかなり低いのですが、借入金の利率はなんと1%を切っており、4%ほどの分配金利回りを実現させています。

 

 

不動産投資が儲かるかどうかは「ローン金額」次第?

 

レバレッジをかけて収益率がアップするなら、購入額「全額」をローン調達すれば儲かる!と思いませんか?

 

儲かりますが、問題が2つあります。

その1つが「キャッシュフロー」です。

 

先ほどの例では、話をシンプルにするため借入期間中の元金返済は無しとしました。

しかし、通常は定額の元金または金利+元金返済額が定額になるように、定期的に元金返済しなければなりません。

そして、借入期間は築年数が影響します。

築年数が古いと、借入できる期間は短くなります。

 

先ほどの例をすべて年間として、40万円のローンの借入期間が10年とし、10年にわたって元金を均等に返済する元金均等返済とすると、1年目の元金返済は4万円になります。

そして、ローンの金利分は1万円ですから、元金と金利を合わせて5万円です。リターンのすべてがローンの支払いに消え、手元にキャッシュが残らなくなります。

 

同じ条件で全額をローン調達したとすると、1年目の元金返済は10万円、金利分は2.5万円、元金と金利を合わせると12.5万円となり、1年目のキャッシュフローは7.5万円の赤字になります。

レバレッジは「収益効率を増大させる効果」がありますが、同時に「元金返済によってキャッシュフローを悪化させる効果」もあるのです。

 

ローン金額が大きすぎると、借入期間中はずっとキャッシュフローが赤字ということもあり得ます。

もちろん、何年後かに投資金額と同額の100万円で売却できれば、元金で支払った分のキャッシュは回収できますし、100万円を上回れば収益効率は増大します。

しかし、売却額がその時の借入残高を下回れば損失になり、ローン金額が大きければ大きいほど、その損失効果は増大することになるのです。

 

もう1つの問題が「金融機関のリスク負担」です。

ローン金額の大きさは「将来に価格が下落したときのリスクをどれだけ金融機関が負うか」と捉えることができます。

金融機関は物件の価格がいくら上昇しても金利分しか儲かりませんが、物件の価格が下落すると、元金を回収できず損失が大きくなるリスクがあります。

 

全額ローンとなると、価格下落リスクは100%金融機関が負担し、上昇したときのリターンはすべて借主が受取るという、不釣り合いな状態になります。

借主にこのリスクを埋め合わせるほどの信用力がないと、購入額全額ローン調達というのは厳しいです。

 

手元資金をなるべく有効に使うためにローン金額は出来るだけ大きくしたいところですが、保有期間中のキャッシュフローが赤字になれば、結局は手元資金を使ってしまうことになります。

収益不動産のローンはレバレッジが期待できる「儲かる仕組み」ですが、ローン金額は賃料収入とのバランスを考えて慎重に検討する必要があります。

 

RENOSY(リノシー)

 

【このサイトの管理人】

国家資格である不動産鑑定士の資格を取得した1998(平成10)年から、数多くの不動産を鑑定してきました。

鑑定してきた不動産のうちの過半は「投資用不動産」です。

見た目は同じような投資用不動産なのに、発生する収益に大きな差が出る不動産も多くみてきました。

不動産投資は安価な投資額では済みませんから、確実に収益を上げることが求められます。

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